先日、MTB仲間御一行と山に乗りに行った事は、こちらのブログで上げましたが、その日お仲間の一人T様が下山直後の一般道でパンクするという事があって、当店で預かって修理と各部いろいろ調整することになりました。
T様のGIANT「ANTHEM X3」2010年モデルは、つい先日、市内に去年?オープンした中古の自転車を専門に扱う全国チェーンのショップで購入したものです。
今回こちらを預かり修理、各部の調整をさせて頂くなかでいろいろと考えさせられました。
最初に申しあげておきますが、わたしは中古自転車を販売するビジネスを否定するものではありません。
例えば今回のT様のようなお仕事の都合上、都会と地元を月の半々づつ行き来する人が
年に数回だけ仲間と自転車を乗るのに何十万円もする高価な新品スポーツバイクはおすすめ出来ないし、中古を購入するのは正しい判断だと思います。
まずはハンドルバー、幅に関してはショップが買い取った時についていた物をそのまま売るしかないんで、
しょうが無いとおもうのですが取り付け角度がありえなかった。
たしかにハンドルの取り付け角度はライダーそれぞれの好みがありますので、これとった正解はありません。
ですが預かった自転車を見たとき、「MTBのハンドルで、この角度で使う事はあり得ない」と思いました。
T様からは、今回ハンドルバーをもっと広くしたいとのご依頼も受けていましたので、この際うちの店で転がってたハンドルバーに交換がてら、「まぁ常識的な範囲の取付」にさせていただきました。
ハンドルバーの交換となるとグリップ、ブレーキレバー、シフターの取り外しもしなければいけないのでバーエンドを一度外す必要があるのですが、その時、片側のバーエンドを見たときに違和感・・・。
チネリのマーク・・・?
これロード用?
バーテープの端っこをハンドルバーのパイプの内側に押し込む感じで固定するタイプのあれならこれって内径的に取り付けないんてできてないはず、どうやってんだ?
そう思って指で軽くつまんで引っ張ってみたら・・・・。
スルッっと抜けたかとおもったとたん、内側の爪がパイプの中からバラバラ落ちてきました。
いままでどうして落ちなかったんか?謎です・・。
しょうがないんで、ウチで転がってた
ボロボロのバーエンドをとりつけておきました。
無いよりマシなはず。
上のステムとバーが元からついていたモノ、下側が今回交換するもの。
ステムはT様が自前で用意し、ハンドルバーは以前うちの店でハンドルバーを交換した人が置いて行ったモノ。
幅660mmは今の流行からすると狭いですがクロスカントリ-バイクだということもあり、バイクのキャラクター的にはこれくらいで正解かもしれません。
当然ですがトルクレンチを使って指定トルクで各ボルトは締め直して作業していきます。
T様が山で乗った時に困ったのが、
シートポストが適度にカットされておらず下がらなかった事。
せっかくのニューマシンデビューだったのにきっと楽しくなかっただろうと思います。
ここで思ったのが、ハンドルバーの件といい、小柄なT様にバイクを納車するのに全くカットされてないシートポストで渡している事といい、まったくフィッテングというものをせずに納車させてるんだなぁ・・しかもバーエンドを見るに細かいところのチェックもせずに買い取った自転車を右から左に流すのみなのかなぁって感じました。
それは商売としては大正解です、「余計な手間?」を掛けずにそのまま儲かるわけですから、特にお客様が知識を持ってないなら特に気にしないでしょうし、実に合理的。
バイクフィッテングやら細かい点検してあげても追加で代金はもらいにくいでしょうしね、
でもなぁ・・・。
とりあえずT様ご指定の7㎝カット次回乗った時に様子を見てもらうことに。
写真写りの関係で7㎝でないように写ってますが実際はいい感じでカット出来てます。
とりあえず左の写真の位置まではサドルを下げることができますので、前回よりは下りセクションが楽しめるだろうと思います。
ここでやっと本題のパンク対応です。
これは結構困りました。
というのは、もう今や26インチのマウンテンバイク用のタイヤはあまりラインナップがなく、しかもチューブレス規格の中でも、チューブレスレディに押されぎみで廃れつつあるUSTチューブレスとなると殆どなく、うちとお取引がある問屋では、選択肢がこれしか無いといった状況でした。
26インチタイヤ一本に定価9100円を払わすのは少し気の毒だったので若干サービス価格にしておきます。
とりあえずパンクしたチューブレスタイヤは交換でき、車体に関してもT様の要求する形にはできているとおもいます、後は実際にお渡しする時にまたがって頂き、細かい所の調整ができればきっといいMTBになっているとおもいます。
最初の方で言ったように、中古で購入する事や中古販売店のサービスを全く否定するものではありません。
ですが、納車時にあまりにも何事もなく「ハイ、どうぞ」と簡単にわたされたら、少しその自転車に対して疑問をもってみてもいいのかもしれません。
ウチの店みたいなのも、その対応ができる(少なくともMTBに関しては)という意味では存在価値あるのかなぁ・・・って思ってます。
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