GW明けの仕事をかたずけた以降は大した仕事していない
ド暇な誉自転車です。
適当なやる事も尽きてしまって、しょうがなくGYAOで猫侍でもみてボーとしてました。
そんな時に頂けるお仕事
大変ありがたかったです。
普段は、出来る事は全部ご自身で整備されているというK様
自転車もたくさんお持ちのようです。
今回はご自身ではなく、息子様が
普段乗っているSURLYクロスチェックのヘッドパーツの調子が
悪いから交換して欲しいとのご依頼でした。
ヘッドの上椀の隙間からポロポロ金属の削れカスが出るという
あまり聞かない症状なので、とりあえず外してみたのですが
確かに、上椀と上椀の蓋の一部がすれ合って削れた跡がありました。
相当精度が悪くないとこんな事は起こり得ないので、
なにか、はっきりした原因があるはずと思い、
とりあえず交換するヘッドを取り付けていく過程で、
原因としてありそうな事をつぶしていく事にしました。
フォークに圧入されたベアリングレースの交換。
ちゃんと専用工具がありますので、可能な限り傷を付けずに外せます。
これまで付いていたヘッドのベアリングレースを外し、交換するヘッドパーツの物を
専用のスライドハンマーで圧入します。
ココは異状なしでした。
ヘッドチューブに圧入されたヘッドパーツを外します。
この作業は、本来は同じフレームには何回もするのは良くないです。
圧入で取りつく部品ですのでフレームへの影響を考えると出来れば最初の
組み立て時に信頼をおける精度、強度のヘッドパーツをえらんで組み付けるのが
いいとおもいます。
今回新しいヘッドを取り付ける前に、フレームのヘッド部分の精度を整えるための
フェイスカットとリーマかけをしました。
ヘッドチューブの上下両端の並行を出し、内径もリーマで整えます。
多少の溶接による影響や塗装膜による凸凹はありましたが、これくらいでは
冒頭の異常の原因とはならないと思いました。
何か他があるはずです。
新しいヘッドを圧入しました。
お客様に選んで頂いたのは、日本のTANGEの名品テクノグライド
昔から和製クリスキングと言われるコレなら、今後充分長く使って頂けると思います。
今後ステム・ハンドル周りもシルバー系にカスタムするつもりらしく、間違いの無い選択だったと思います。
コレといった原因がわからず、釈然としない気持ちで組み終えようとした時
ようやく原因を見つけました。
スターファングルナットが既定の深さまで入っていません。
コレは本来、コラムパイプの上端から15mm程度の深さまで
圧入するのが標準的な取り付け位置になります。
写真の位置では浅すぎますね、おそらく打ち込む際、専用工具も使っていない
のではと思います。
これがコラムパイプに真っすぐ圧入されていないという事は当然ヘッドの上椀内のベアリングを抑える方向の精度もくるいます。
普段ご自身で整備されている方で、どうしても調子の悪い原因がわからないという時は、
早めにショップで原因を調べてもらって、直した方がいいと思います。
不具合を気にせず使い続けた結果、こわれる必要がない物まで壊れる事もあります。
今回のK様のSURLYは当店で購入されたものでなく、K様とも今回のお仕事依頼時が初対面でしたが、特にそのような事は断る理由にはしません。
調子の悪い自転車ありましたら、遠慮なく当店にお持ち込みください、
どんな自転車でも、毎回大丈夫とは言い切れませんが、出来る対応はさせて頂きます。
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