もう何週間か前の話にはなりますけど重い腰を上げて、自分のマウンテンバイクのオーバーホールをしました。
きっかけはGW中に行った菖蒲谷で友人がこれに乗ってみた際、
「なんか変だ、フロントにグリップを感じない」と言われたことです。
実はずっと自分も感じてて、根本的にメンテナンスとセッティングのやり直しをする必要がありました。
根本的な対処としてどこを変更すればいいかはわかっているつもりですが、
もう3年乗りっぱなしですので、ここらで一旦全部見直すことにしました。
という事で、まずはフロントフォークからです。
私のPP No.5のフォークにはマルゾッキのZ1を使ってます。
今のマルゾッキと言えばFOXのセカンドライン、中身もFOXのサスとほぼ同じで、無くてもいい機能をオミットしただけになってます。
実際内部オーバーホールの際必要な新品シール類や交換部品もFOXのキットを使います。
Z1に関して言えば基本的には、ほぼRythm(完成車に採用される一番安価なFOX)だと思ってOKです。
ボトムケースの形状などから来る重量の微妙な違いや、省略された低速コンプレッション調整のインデックス機構くらいしか違いません。
そしてZ1は、登場からいままで内部の変更がありません、つまりFOX製品のネックポイントである生産から5年過ぎた商品は保証対象外が適用されても、
今生産されている限りは修理ができるという事(5年過ぎた商品は販売店での対応に限られますが)です。
ぶっちゃけFOXという表面的な肩書が無くていいなら大抵の人はこのマルゾッキのZ1で満足できる性能があります。
さて、前置きが長くなりましたがバラしていきます。
バラしていくと言っても、ボトムレッグを取り外したり、エア室側の構造なんて言うのはメーカーやモデルが変わろうともほぼ違いはありません。
何処もどれも基本的にはやる事一緒なので省略です。
大昔の左右オープンバス構造でもない限り、結局サスペンションオーバーホールで違ってくるのはダンパーです。
上の写真で手に持っているのがマルゾッキZ1のカートリッジダンパー”GRIP FITダンパー”、上でも書いてますがこれぶっちゃけFOXのパフォーマンスシリーズに採用されてるGRIPダンパーです。
カートリッジダンパーの上側のキャップの役目のパーツをシール類交換のためにバラします。
工場出荷の状態では細かいパーツ類がそこそこのトルクで締め付けられてます。
一度もバラされてないサスの分解は毎回冷や汗ものですし、小さなパーツの取り付け順序や向きを間違えないように注意しなければいけません。
上の写真は低速コンプレッション調整の役割をする部品を分解してます。
オイルダンパーの底を塞ぐパーツ類をバラします。
ダンパーシャフトとその先端についているピストンがリバウンド減衰調整機構の役割になってます。
因みに写真でいう左下側の先端部分がボトムレッグの底から出てて、リバウンド調整ノブが取り付けられてます。
ダンパーシャフト側はメーカーの作業マニュアルでは、
”分解できないことはないがオーバーホールの際、特に使用時の違和感が無い限り分解するな”とあります。
今回特に違和感なしですので、この状態で交換できる部品だけ交換するにとどめておきました。
後は新しいオイルに交換して元通りに組み付けます。
マニュアル記載の高さまでダンパーボディ内にオイルを入れます。
FOXのテフロン入りのオイルになりますがけっこういい値段するので無駄にはできませんね。
この後最初にバラしてたキャップに当たるパーツで蓋をするのですが、
GRIPダンパーは完全密閉のブラダー式と違って真空引きする必要は無く、
オイルが多すぎれば蓋をするときその分は溢れて漏れていきますし、
ほんの少し気泡が混ざる程度なら、実際の使用時のストロークによって
その溜まった空気だけが抜けるポートをもった構造になってます。
シンプルで使い勝手もメンテナンス性も優れたダンパーだと思います。
後はいつもの作業です。
新品のフォームリングにしっかりオイル(FOXゴールドオイル20wt)を
しみこませて交換
ボトムレッグ内にも規定量入れます。
ボトムレッグをはめ込み後、アクスル取付前に一手間加えます。
内部パーツのアライメント出しなのです、そんなに大した作業ではないのですが
案外効果あったりします。
(よくカスタム系ショップが言うオカルト的な効果ほどではないですけど、した方がいいのは間違いないです)
とりあえず終了、ええ動きです。
ってオーバーホールしたてのサスでそんなに動きが悪いってほぼないんですけどね。
だってダストワイパーにベッタベタにスリックハニーだのスラムバターだの塗りますからね。
何回かストロークさせてその際、ダストワイパーから見に見える量で抜けてくる
オイルをふき取って本当の意味で完了。
さて、次回はリヤサスユニットになります。
フロント接地感不足の根本的な原因になってました。
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