Transition SPURオーバーホール2日目の話。上の写真のリヤユニット”ROCKSHOX SID LUXE Ultimate”こいつを分解・整備・組み立てしていくことになります。
このユニット高級品ではありますが、基本的な構造的は
いたって普通の一番シンプルなタイプのエアサスユニットと言えます。
一番信頼できる構造を元に軽量化などを徹底して、現代のクロスカントリーバイク~ダウンカントリーバイクにあう味付けで設計しているユニットなのだと思います。
こちらのユニットにする作業も前日のフロントフォークの時と同じで、使用200時間ごとのメンテナンスです。
こちらの場合もその作業で交換が必要になるパーツが全部入ったキットが販売されていて、素直に内容の物を交換していくことになります。
高級品なのでオイルもロックショックスの上級品MAXIMA PLUSHを使用しなければいけません。あとダンパー下部からエアーで加圧する作業時、500PSIまで加圧しなければいけないという事で、その圧力まで加圧できるサスペンションポンプも買い直すことになりました(地味で無くかなりつらい)。真ん中の青いアルマイトのパーツはその際に使うポンプとダンパーをつなぐアダブターです。
この辺の工具次に使う機会あるだろうか?使うような仕事3~4件戴かんとペイ出来んので、みなさんお仕事ください(笑)
さてバラシながら交換部品(主にシール関係)を交換していくわけですが。
リヤサスってフロントフォーク以上に細かい交換があっていちいち説明書いてたら無茶苦茶長くなりますので、作業中に撮った写真を適当に並べていきます。
因みにここまでの作業で、終了して組み直しするのが
確か使用50時間メンテナンスだったと思います。
フロントフォークの時もそんな話あったと思いますが、前フォークとリヤユニットで見た目は全く違いますが、サスペンションという大まかな視点で見た時、やってることは共通と言えます。
つまりここまでのメンテナンスだけでも本来は年1ぐらいでした方がいいというのが
本音です。
※なかなかそんなにマメにメンテナンス出す人いないのも現実ですけどね
さてオイルダンパーに当たる部分をバラしていきます。
ダンパー下部のエアバルブから加圧しているエアーを抜いてバルブコアも外すのですが、
ここで予想外のトラブル、普段使っているパークツールの工具が形状の問題で
コアまで届きません。
正直心傷みましたが、こういう時は現場対応で手持ちの工具を削って使用できるようにしました。
こういうの時々あります。
古いオイルは捨てて、IFPを空気圧で押し出します。ダンパーボディ-内部を掃除して
IFPのシールも交換です。
ダンパー内部で動くピストンと、それに関係してオイルの通路になる部分をバラしていきます。
ここらが細かい部品も多く一番緊張するところですね。
中心のロッドについている小さいOリングを交換したらピストンバルブの組み直しです。
IFPを既定の位置に合わせてダンパーボディの面一までオイルを満たします。
ダンパーの蓋とエア室のピストンを兼ねたパーツを組み付けて
下側のエアバルブコアを付け直し、例のポンプでIFPを支えるエア圧を500PSIまで加圧(これが結構固い)。
ここまでできたらもう終わったようなものです。
ダンパーを閉じた時にオイル側にエアが入っていない事を祈りながら元に戻していきます。
200時間メンテナンスキット付属のエアカン用オイルをエアカンに入れてからエアカンを閉じます。
新しいブッシュを圧入し直して終了なのですが、この後フレームのリヤバックをバラシてすべてのベアリングをチェックする仕事が3日目に控えてますので、ユニットはまだ外したままにしておきます。
ここまでが2日目になります。
サラッと書きましたが細かい注意点の殆どは書いてませんし、
実際にはそんなにすんなりいかん作業だらけです。
サスペンション作業に関する日本語の解説とかネットにあんまりないのは知ってますが、このブログの文章や写真見て同じ作業するのは絶対に勧めません。
ロックショックスの本国サイトの製品ごとのページからメンテナンスに関するページに入れますので、そちらを見るのが絶対にいいです。
※但し内容はプロ向けですし、文章は全部外国語です。
さて次回は最終の3日目になります。
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