前回のブログでも言ってますけど、良いものを購入してくれた人って大抵
メンテナンスに対する意識も高い人だったりします。
このカラテモンキーにベアリング部品を全部クリスキングにカスタムしてくれている
お客さんもそんな人。
年1回くらいベアリングの掃除、グリスの詰め替えをしたいという事で
お預かりしました。
クリスキングのベアリングは使い込むほど回転が良くなるようになっていると
メーカーは言ってます。
そりゃ、ミクロン単位でベアリングボールの凸凹が削られるのですから理にはかなってますが、削れたくずはグリスに混ざるわけですし、そうとなればやはりメンテナンスフリーで使い込むべきものではないのです。
ヘッドのベアリング
カバーになっている金属のスナップとラバーシートを外し、
古いグリスを洗い流したのが上の写真
新しいグリスを全体の半分から2/3ぐらいに詰め、指で回して全体に伸ばして
カバーし直します。
使用したグリースはクリスキングが工場で使用しているのと同じクリスキングのブルーグリス、誉自転車の標準グリスとしても使用している物です。
BBも取り外してグリスの洗い流し~詰め直しをします。
使用するグリスは、クリスキングがBBとハブのベアリングに推奨している
クリスキング”シルバーグリース”
ヘッドで使ったブルーグリースよりやや硬めのペースト感を感じる真っ黒いグリス。
※このグリス凄く臭い、毒々しい匂いがします。
上の写真の右側が古いグリースを洗い流した状態で
左側がシルバーグリスを詰め直した状態です、見た目が汚いのでどちらが
作業後かわかりませんが(笑)
左のようにしてまた蓋をするのです。
クリスキングのBBっていつからこのシルバーグリースでメンテナンス用になったのか?
昔はなんか特殊なBB専用グリス工具にブルーグリースで強引に新しいグリースを押し込んで、古いグリスと汚れを無理やり押し出す方式だったような気がするのですが・・・専用工具を買わんでいいのはいい事ですけどね。
※因みにこの時の作業のシルバーグリースの量は、ディーラー向きの作業マニュアル的には少し入れすぎだったようです、正解はヘッドの時のブルーグリース同様で
半分から2/3位に詰めて指で回転させて全体に薄くなじませるようにするみたいです。(問題は無いでしょう)
ハブのベアリングも同様に作業します、ここもシルバーグリスになります。
最後はリヤハブ内部のリングドライブと呼ばれる部分です
ヘリカルギヤになっていてこの部分非常にデリケートで、
髪の毛程のゴミが付着しただけでもラチェット機構に不調が出ます。
使用するのはグリスではなくルブリカント簡単に言うとオイルです。
もちろんクリスキングの専用品しか安心して使えません。
クリスキングのヘッドやBB、ハブ等は
誉自転車の取り扱うパーツの中で最高級品です。
それらはメンテナンスフリーのものではありません、最高であり続けるだけでなく使い込むほどに回転性能を上げていくために多少の手間と費用が掛かる物とお考え下さい。
メンテナンスフリーが良いという方は、中途半端かもしれませんが”そこそこの物”
を買って壊れたら交換を繰り返すのもダメなことではありません。
現実の話、本当にメンテナンスフリーなどというパーツは物理的にありえません、
どんな最高のパーツも最高の状態を維持するためのメンテナンスあっての最高の性能なのです。
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