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保障期間切FOX FORX シール&オイル交換

もう、少し前の話です。

当店に迷える子狐が迷い込んできました。

2009年式 FOX FORX バニラRL 

MTBをしている人には大変人気で、完成車についている場合は、

比較的上位グレードのモノが多く、性能もトップクラスだと誰もが認めるブランドのため

後々アップグレードカスタムとして、単体で購入される方も多いブランドです。

 

ただこちらのブランドを選ぶなら、知っておいた方がいい事が1つ。

[メーカー保証期間が5年しか無く、それを過ぎるとリペアパーツが手に入りにくくなる]

と言う事。

あと今現在、県内に正規ディーラーはありません。

ウチも問い合わせしてみた事はありますが、マウンテンバイク文化の死んだ

香川県で始めるには厳しすぎる条件を提示されたため、

しばらくはあきらめる事にしています。

 

今回、このフォークをネットで手に入れ修理に持ち込んだお客さまも、どこも修理をしてくれる店がなく困っていたようです。

約10年の経年劣化でダストワイパーはひび割れていました。

 

今回は、このダストワイパーと、その中のフォームリングの交換と、アウターレッグ内のオイル交換までしかできない事をお客様には説明して作業させて頂きました。

(もしダンパー内部の部品を壊してしまうと、リペア部品が手に入らないためです)

まずはアウターレッグをはずします。

底にある、インナーロッドとアウターレッグを連結するナットを外します。

アウターレッグを引き抜く前に古いオイルを滴下させます。

オイルの滴下が止まったらアウターレッグを抜き取ります。

インナーチューブとインナーロッドに傷がないのを掃除しながら確認します。

本来ならココから、コイルスプリングや、

ダンパー内部のオイル交換やOリング類の交換といきたいとこですが、

前述の理由から手をだせません。

 

ひび割れた、古いダストワイパーを取り外します。

中にみえるのがフォームリングです。

ブッシュにある縦のスリットから上がってくるオイルをこのホームリングが

常に溜めることで、しゅうどう部分に注油し続けることができるようになっています。

左右ともにフォームリングも取り外します。

約10年とはいえ、本格的に使われたことがないためか

フォームリングは比較的綺麗です。

洗えばまた使える程度ですが、やはり10年物、

せっかく新しいのも取り寄せたので交換です。

新しいフォームリングをフォークオイルに浸します。

フォームリングをブッシュの上にセットし、新型の低フリクションシール(つば無しタイプ)を

打ちこみます。

当店が使用しているのは、UNIORの専用工具です。

写真を撮り忘れていたので一気に完成みたいですが

実際逆の手順で組んでいき、

最後にボトムレッグ裏から潤滑オイルを足して組み上げ完成です。

本当はこの年式の型の場合は、別のやり方で、しっかりダンパー側のオイルだけでも全部交換した方がいいのですが、今回はこの方法にさせて頂きました。

 

今回の整備は、このフォークが正規品かどうかわからない事と、保障期間をそうとう過ぎたモデルと言う事なので、ココまでしかできませんでした。

ですが、商品が日本の代理店が扱った正規品で、保障期間内であれば当店でもリペアパーツを取り寄せて整備する事ができます。

(但し、FOXのリヤショックは販売店で分解するのを禁止されているため、総代理店のマムアンドポップスへ送る事になります。)