· 

上位レベル一般レーサーによるFORMOSAロードディスクホイール28ホールverインプレ

昨年11月に当店がキャンペーン価格で販売した

FORMOSA ロード ディスクホイール 28ホールバージョン

購入してくださったUさんは、一般レーサーとしてヒルクライムとシクロクロスの実力者。

そのUさんが実際シクロクロスの練習+実戦で使用してみた感想をレポートしてくれました。

 

リムハイト35mmのチューブレスレディ対応オフセットカーボンリムとPillerのWing20翼断面スポーク、最高品質・性能のハブベアリングを採用しつつも価格は112,200円(しかも税込)

 

気になる人は多いのではないかと思います(私自身もです)。

 

因みにUさん、2月17日に行われた”さぬきシクロクロス”においてCM3クラスでこのホイールを

使用し、ぶっちぎり優勝でした。

ただ、彼がCM3で走ったのは今年からマスターズクラスに変更したからであって、

本来の実力ならもっと上で戦うのが妥当なレーサーです。

そんな彼が使用して感じた事を、当店や総代理店ユリスさんにいっさい遠慮することなく

”いい所はいい”、”ダメな所はダメ”と書いてくれています。

 

購入を検討している方がいらしたら、ぜひ判断材料として頂けたらとおもいます。

 

 

 

Formosa ロード 28H ディスクブレーキ完組 インプレッション

 

【総評】

 

①コーナーでヨレにくく、タイヤのグリップ感を掴みやすい

 

②踏みこんだ時にかかりが良く、加速しやすい

 

③高いコストパフォーマンス

 

④バルブホール等の切削部分は改善を希望

 

 

 

【実測重量】

 

規格1488g(696g+792g)に対し、実測重量:1528g(718g+810g)

 

 

 

【使用環境】

 

チューブレス仕様にてシクロクロスの練習、レースで使用

 

・タイヤ:IRC SERAC CX tubeless 32c 1.55bar(前後)

 

・リムテープ:NO TUBES 25㎜幅 1重巻き(バルブ付近のみ2重)

 

・チューブレスバルブ:IRC 55㎜

 

・シーラント:IRC 30g(前後)

 

 

 

【インプレッション詳細】

 

 シクロクロス用の決戦用ホイールを探している際にFormosaというブランドがあることを知った。近年、某有名シクロクロスチームに供給されており(チューブラー仕様ではあるが)、数々のレースで結果を残している。私の希望するスペックはチューブレス仕様、重量420g以下のカーボンワイドリム、全体重量1550g以下、価格10万円台前半までであり、且つ「しっかりと」組まれていることが条件であった。いくら数値上のスペックが良くても、組み方が下手では意味がない。エアロスポークが横に向いてたり、全体テンションがゆるゆるだったり、テンションが偏っていたり。。。有名無名に関わらず、そのようなホイールは世の中に実在している。失礼ながらマイナーブランドであるが故、ホイール組の完成度に関しては懸念事項であった。しかし、現物を確認してそれは杞憂であったと感じた。

 

 リムの形状はアシンメトリック、リム幅やビードフック間の幅などは最近のカーボンチューブレスのワイドリムによくあるスペックであり、特に変わったところは見られない。ただし、リムの規格重量400gにしてはかなりしっかりしたつくりであり、28hのpillar社wingスポークと相まって縦、横ともに高い剛性を有している。また、素材だけでなく、ビルダーが高いスキルを有していると思われ(日本国内組立)、スポークテンションは高い絶対値を確保した上で、全体的な均一性も保たれている。

 

 それは実際の走行でも感じる点であり、コーナーリング中にホイール自体がヨレる感覚が少なく、低圧にセッティングされたチューブレスタイヤのグリップのみを捉えやすい。リム剛性、スポークテンションの高さに加え、リアハブのノッチ数の多さもあるためか、踏み込んだ時に掛かりがよく、常にインターバル的な走りとなるシクロクロスには適したホイールであると感じた。剛性感はガチガチではなく、体重が軽く、絶対パワーも低い私にとってもちょうどよいと感じる程度である。フリーのラチェット音は爆音。ここは好みが分かれる点である(笑)

 

以上、走行性能に関しては申し分なく、価格以上の性能を有していると思われる。

 

 しかし、改善をお願いしたい部分もある。それはリムにあけられたバルブホールとニップルホールの切削精度である。

 

 当初、リムテープはNO TUBES社ではなく、DT SWISS社のものを使用していた。バルブホール周りの穴の断面がするどく、伸度があまりないDT SWISS社のテープではチューブレスバルブを取り付けた際に引き裂けが発生し(画像1参照)、エアとシーラントがリム内部に漏れてしまうため、ビードを上げることができなかった。NO TUBES社のリムテープはバルブ穴形状に沿って伸びやすく(画像2参照)、引き裂けが発生しなかったため、エア漏れ、シーラント漏れが起こることはなく、簡単にビードを上げることができた(タイヤの装着自体は手で容易に可能)。DT SWISS社のリムテープが悪いというわけではなく、相性の問題ではあるが、穴周りの処理をもう少し滑らかにしてもよいと思う。

 

                        写真1
                        写真1
                        写真2
                        写真2

 

それ以上に加工が荒いのがニップルホール回りである。切削時に残った突起や、カーボンの変形、繊維のささくれがあった。突起に関してはリムテープを張った際に指で鋭い凸形状を感じる箇所もあり(写真3参照)、高圧下においてはリムテープの引き裂けやクリンチャー仕様でのパンクトラブルにつながりかねない。リムテープを張った後、突起に関しては気になる箇所が前後各3ヵ所ほどあたっため、一度テープを剥がし、自身で棒ヤスリとサンドペーパーで処理を行った。ホールの加工工程においてはこだわりを持って制作を行っているリムメーカーも多く、リム剛性への寄与も少なくないと思われる。第3者機関(某有名カーボン製品取扱会社)によるカーボン自体の剛性テストの結果は非常に良好だったと聞いている。それゆえにもったいないと感じる点である。

 

                           写真3
                           写真3

 

 また、シクロクロスで使用する以上、ニップル周りからリムの内部に水がたまることも多々あると思われる。メンテナンスを容易にするという意味でも水抜き穴は欲しいと思った。

 

 改善を希望したい点もあるが、使用するパーツやショップの対応で解決できる範疇であり、総じて高評価なホイールである。来期はレース数を増やしたいと考えているため、予備でもう1セット欲しいと考えており、コストパフォーマンスに優れたホイールとして、これからレース用のホイールを購入する人にもお勧めできるホイールである。

 

以上。地元一般レーサーUさんのレポートでした。

 

バルブホールやニップルホールの細かい凹凸問題は実は私も感じていましたが、それは販売店で解決するべきレベルだと思います。(つまり当店が対応しておくべきだった)

このホイールが持つポテンシャルには充分満足して頂けたようです。

 

FORMOSAのロードディスクホイールは

現在さらにスポーク数24本、ストレートプルスポーク採用の新型を発売しています。

今回Uさんがレポートしてくれたスポーク28本Jベントスポークのモデルより5800円ほど

高価ですが重量も発表値で1425gと、60g程度軽く、性能も期待できます。

FORMOSAのロードホイールは、最近スラムのXD-R用も購入時に選択できるようになりましたのでスラムの1Xコンポーネントにも対応しました。

 

あとFORMOSAのロード・シクロ系製品と言えば現行シマノロードクランクに対応した

ナローワイドチェーンリングも好評です。

コレを使えば、シマノコンポーネント仕様でもフロントシングル化を低価格で実現できます、

レポートを上げてくれたUさんも実際に使用していて現状全く持って問題無いようです。

 

少し長くなりましたが、

FORMOSAの商品に関するお問い合わせお待ちしています。